「プロジェクト融資って何?」
「不動産のPJ融資のデメリットは?普通の融資とはどう違うの?」
この記事では、プロジェクト融資とは何か、メリットやデメリット、利用する際のポイントを分かりやすくご案内します。
目次
プロジェクト融資(PJ融資)とは?
プロジェクト融資とは、不動産開発や不動産の再開発プロジェクトなどの収益性を担保に資金を融資する方法のことです。
projectのPとJを使ってPJ(ピージェー)融資と略されることがあります。
通常の融資とPJ融資の違い
通常の融資では、企業の財務状況をチェックし、不動産などを担保にします。
ですが、プロジェクト融資では、収益を生み出す事業の内容を審査します。
決算書と事業計画書などの提出、収益シミュレーションが必要です。
このため、財務力がなくても、大規模なプロジェクトを実現できる可能性があります。
例えば、不動産開発やエネルギー施設の建設などがプロジェクト融資の対象です。
これらの事業の審査では、完成後の家賃収入や発電による収益を担保に審査を行います。
プロジェクト融資の利息や融資額、返済期間
利息の相場は、一般的には年率4.0%〜10.0%です。
融資金額は数百万円~で、金額が大きい場合は金融機関との相談が必要です。
返済期間は、一般的には1年以内で、まれに2~3年の設定の場合があります。
プロジェクト融資・プロパー融資・プロジェクトファイナンスの違い
プロジェクト融資と似た言葉に次の言葉があります。
- プロジェクトファイナンス
- プロパー融資
プロジェクトファイナンスとは、特定の事業の拡大・成長を対象とした資金調達手法のことです。
プロパー融資とは、信用保証協会などの第三者から保証を受けずに銀行から直接融資を受ける資金調達方法のことです。
アルファベットはproperで、「適した」「ふさわしい」という意味があります。
巨額な資金を融資できる点は3つとも共通していますが、違いがあります。
- 3つの融資のポイント
融資名 | ポイント |
---|---|
プロジェクト融資 | ・プロジェクトの収益性が担保 ・自己資金が必要ない |
プロジェクトファイナンス | ・プロジェクトの収益を返済原資とする ・対象事業者の資産を担保とする |
プロパー融資 | ・直接銀行と契約する ・審査が厳しい |
プロジェクト融資の2つの事例
プロジェクト融資に成功した2つの企業の事例をご案内します。
地域密着型の不動産デベロッパーB社は、複合商業施設の開発を進めていました。
銀行A社から土地を担保に10億円の融資を受けていましたが、土地を取得するため、あと5億円必要となりました。
B社は、不動産事業に精通しているノンバンクのA社に相談しました。A社は事業を評価し、5億円を融資しました。
不動産開発を行っているB社は、商業施設の建設プロジェクトを進めていました。
ですが、工事遅延が起こり、ノンバンクのC社から借り入れた5億円の融資の返済期限が1ヶ月後に迫っていました。
そこでB社はよりプロジェクト融資の借り換えを検討し、複数の金融機関に相談をしました。
最終的に、ノンバンクのA社から、より有利な条件で融資を受けることができ、プロジェクトを完了することができました。
プロジェクト融資のメリット
- 巨額な資金を借りられる
- 自己資金がなくても審査が通る
- プロジェクトの進捗に応じて融資を受けられる
- 社歴が浅くても借りられる
プロジェクト融資を受けられると、資金不足の不安を抱かずに、プロジェクトに集中できます。
大きな銀行による融資の場合、担保や財務状況を審査しますので、創業したばかりで実績が無い企業は、断られてしまいます。
ですが、プロジェクト融資の場合は、事業の収益性が間違いないと判断されれば、社歴が浅くても融資を受けられます。
プロジェクト融資のデメリット
それぞれご案内します。
【デメリット①】審査に時間がかかる
- 巨額な資金を融資するから
- プロジェクト内容を慎重に調査する必要があるから
審査に時間がかかると、決済が滞ってしまい、機会を逃したり、関係各社との信頼関係が不安定になったりします。
結果的に、トータルコストが増大することがあります。
【デメリット②】リスクが大きい
- プロジェクトが失敗した時の損失が大きいから
- 通常の融資よりも利子が高いから
万が一プロジェクトが失敗すると、次のような損失があります。
- 金融機関は融資の回収ができなくなる
- プロジェクトを進めていた企業の倒産、信用力低下
通常の融資よりも融資金額も利率も高いため、返済する金額もそれに応じて増えます。
リスクを考えた上で、融資を受けるかを決めなければいけません。
プロジェクト融資の利用手順と審査基準、必要書類について
プロジェクト融資の利用手順や審査基準、必要書類をご案内します。
利用手順
- 電話やメールで相談
- 申し込み手続き
- 審査
- 契約成立
不動産担保ローンの場合は最短当日で審査、融資は最短2日~です。
プロジェクト融資は、不動産担保ローンと比べると、審査項目が多く、不動産事業に関する知見が必要なため、融資実行までの期間は、数週間から数ヶ月です。
審査基準
- 事業の収益性
- 融資先企業の財務状況
重要視されるのは事業の収益性です。
例えば、不動産事業の場合は、不動産の評価、事業による収益見込みの確実性です。
資金力がある会社でも、収入の見込みのない事業計画では審査は通りません。
必要書類
申し込みと契約の際には、それぞれ必要な書類が異なります。
審査に必要な書類は次の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 商業登記簿謄本
- 宅建業の写し
- 法人の決算書
- 納税証明書
- 不動産謄本
プロジェクト融資の契約を交わす際には、次の書類が必要です。
- 実印
- 会社の登記謄本
- 代表者の身分証明書
- 会社の印鑑証明書
- 代表者の印鑑証明書
- 会社の印鑑証明書
金融機関により必要書類が異なるため、融資を受ける際はそれぞれの金融機関で確認してくださいね。
プロジェクト融資に対応している5つの金融機関
プロジェクト融資に対応している5つの金融機関をご案内します。
丸の内AMS
丸の内AMSは、審査期間が短く、上限5億円まで融資を受けられます。
不動産事業の場合は、全国対応しています。
共有持分に強みがあるノンバンクで、24時間Webで受付しています。
- 丸の内AMS
融資額 | 500万円~5億円 |
金利 | 3.8%~(実質年率15.0%以下) |
返済期間 | 35年 |
最短融資日数 | 2日 |
保証人の有無 | 不要 |
店舗 | 東京 |
SKトラスト
創業70年の歴史あるノンバンクで、最大で10億円です。
短期プランがあります。
- SKトラスト
融資額 | 50万円~10億円 |
金利 | 4.80~9.80%(実質年率15.0%以下) |
返済期間 | 1年超~25年以内 |
最短融資日数 | 不明 |
保証人の有無 | 原則不要 |
店舗 | 大阪、東京 |
ジェイ・エフ・シー
20年以上の実績のある金融会社です。
対応エリアは全国です。返済期間3ヶ月~の短期融資があります。
- ジェイ・エフ・シー
融資額 | 300万円~5億円 |
金利 | 5.86%~15.0% |
返済期間 | 3か月~10年 |
最短融資日数 | 3日 |
保証人の有無 | 必要な場合がある |
店舗 | 東京 |
日宝
49年の実績がある全国対応の金融会社です。
返済期間3ヶ月~の短期融資があります。
- 日宝
融資額 | 50万円~5億円 |
金利 | 4.0~9.9% |
返済期間 | 1か月~30年 |
最短融資日数 | 即日 |
保証人の有無 | 不要 |
店舗 | 東京 |
SBIエステートファイナンス
年間5,000件以上の相談実績があります。
独自の審査基準で融資を行うかどうか判断しています。
- SBIエステートファイナンス
融資額 | 300万円~10億円 |
金利 | 2.70~6.80%(実質年率15.0%以下) |
返済期間 | 1年~25年 |
最短融資日数 | 翌日 |
保証人の有無 | 必要な場合がある |
店舗 | 東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪 |
プロジェクト融資を受ける際のまとめ
プロジェクト融資とは何か、メリット、デメリットについて、ご案内しました。
融資額が大きいので、お急ぎかと思いますが、慎重にお進めください。