「老後のお金がない⁉」
「老後のお金はいくらぐらいかかるの?」
このように悩んでいませんか?
この記事では、老後のお金がないとあわてないために、今からできる対策についてプロがご案内いたします。
目次
老後のお金がない⁉年金だけで生活できるのか
- 年金はいくらもらえるのか?
- 老後の生活費はどのぐらいかかるか?
- 老後に備えておくべき突発的な出費は?
- ゆとりある老後を過ごすために必要なお金は?
それぞれご案内していきます。
年金はいくらもらえるのか?
日本年金機構によると、令和5年4月分からの年金額は次の通りです。
国民年金(老齢基礎年金の満額):66,250円
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):224,482円
参考)日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について|日本年金機構」
老後の生活費はどのぐらいかかるのか?
総務省の「家計調査年報・家計収支編・家計の概要(2022年)」によると、代表的な1ヶ月の消費支出は次の通りです。
- 二人世帯の場合
食費 | 67,776円 |
---|---|
住居費 | 15,578円 |
光熱水道費 | 22,611円 |
保険医療費 | 15,681円 |
交通、通信費 | 28,878円 |
教養娯楽費支出 | 21,365円 |
その他の消費支出(交際費、仕送り金 等) | 49,439円 |
このほかに、衣服や家具・家事用品にかかる費用などがあります。
教養娯楽費やその他の消費支出を除いても、1ヶ月約23万円は夫婦2人の生活費として確保してください。
老後に備えておくべき突発的な出費は?
- 住宅のリフォームや修繕費用
- 入院、手術費用
- 介護費用
それぞれご案内します。
①住宅のリフォームや修繕費用
持ち家の場合、老後の必要に応じてバリアフリー化や修繕が必要になる場合があります。
リフォームや修繕にかかる費用は、内容や規模、建物の状態によって異なります。
数十万円〜数百万円の費用がかかる可能性があります。
②入院、手術費用
年齢を重ねると体力が落ちるため、若いときより入院や手術の可能性が高くなります。
かかった医療費次第では、高額療養費制度の利用ができますが、早めに医療保険に加入することをご検討ください。
③介護費用
老後はケガや病気だけではなく、身体の衰えから介護が必要になる場合があります。
生命保険文化センターの調査によると、月々の介護費用は平均8.3万円、介護に要した一時的な費用の合計は平均74万円です。
また、自宅での介護が難しくなった場合、介護老人福祉施設に入所することを検討する必要があります。
介護保険に加入することをご検討ください。
参考)生命保険文化センター「2021(令和3年度 生命保険に関する全国実態調査」
ゆとりある老後を過ごすために必要なお金は?
生命保険文化センターが行った調査によると、次の通りです。
最低日常生活費:232,000円
ゆとりある老後生活費:379,000円
国民年金(老齢基礎年金の満額)だけでは約6.6万円ですので、約16.5万円以上、足りません。
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は約22.5万円ですので、毎月数千円の赤字です。
ゆとりある老後を過ごすのは難しいです。
参考)公益財団法人 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
将来「お金がない!」と不安な人が今からできる4つの準備
今からできる準備は4つあります。
【準備①】生活費の見直しをする
無駄な支出を減らすことで、貯蓄に回せるお金を増やすことができます。
今のうちから毎月発生する固定費の見直しをしてください。
見直せる固定費の例は、次の通りです。
- スマホ代
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- 保険料
- サブスクの契約料
料金プランや契約内容を見直す、利用頻度の少ないサブスクは解約をご検討ください。
【準備②】老後のために貯蓄する
「公益財団法人 生命保険文化センター」によると、夫婦2人で最低限の生活をするには23万2,000円、ゆとりのある生活をするには37万9,000円が必要です。
理想的な老後のための貯蓄額をご案内します。
最低限の生活:6,960万円(23万2,000円×12ヶ月×25年間)
ゆとりのある生活:1億1,370万円(37万9,000円×12ヶ月×25年間)
夫婦2人の年金受給額 月額22万4,482円を差し引くと、7,518円〜15万4,518円毎月不足する計算です。
65歳までに225万円~4,635万円を貯蓄することをご検討ください。
【準備③】NISAを活用する
NISA(少額投資非課税制度)とは、株式や投資信託で得られた利益が非課税になる個人の資産運用を応援する制度です。
NISAのメリットを5つご案内します。
- 手元に残るお金が多くなる
- 資産を効率良く増やせる
- 確定申告が不要
- 資金使途に制限がない
- 非課税保有期間が無期限
NISAの非課税枠を利用して投資すると、増えたお金には税金がかからないため、より多くのお金を手元に残すことができます。
【準備④】iDeCoに加入する
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、確定拠出年金法に基づく私的年金制度のひとつです。
公的年金と異なり、加入は任意で、加入の申込・掛金の拠出・掛金の運用のすべてを自分で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。
準備しても「老後のお金がない」という場合の4つの対策
それぞれご案内していきますね。
【対策①】家族や専門家に相談する
暮らしとお金に関する幅広い知識をもったお金の専門家がファイナンシャルプランナーです。
老後のための資金計画・生活設計をファイナンシャルプランナーに相談することを検討しましょう。
親の老後に不安を抱いている子どもがいる場合、同居や生活費の援助の相談をすることで、協力を得られる場合があります。
【対策②】老後も働く
給与を生活費として補填することで年金不足分をカバーすることができます。
年金が足りないと不安に思った場合、退職後に働くことが選択肢の1つです。
老齢基礎年金は年金の繰り下げ受給ができます。
66歳以後75歳までの間で繰り下げて受給した場合、繰り下げた期間に応じて年金額が増額されます。
年金の受給額を増やしたい人は、退職後に働いて得た給与を生活費に充て、年金の繰り下げ受給を選択することを検討してください。
【対策③】年金生活者支援給付金受給対象か確認する
年金生活者支援給付金は、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給するものです。
受給対象者は、消費税率引き上げ分を活用したもので、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の人が対象です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること
- 同一世帯の全員が市町村税非課税であること
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が878,900円以下であること
上記の要件を満たした場合、保険料納付済期間等に応じて給付金を受けることができます。
ご確認ください。
【対策④】不動産があるなら担保にしてローンを借りる
不動産を所有している場合、所有している不動産を担保にしてローンを借りることができます。
カードローンよりも借りられる金額が大きく、利息が低いです。
会社によっては高齢者にも対応していますので、探してみてください。
「老後のお金がない」についてのまとめ
退職後に老後のお金がないとあわてないために、今からできる準備と対策についてご案内しました。
今からできる4つの準備と4つの対策を参考に、自分に合った方法で老後に備えてください。