借地権で住宅ローンが組めないといわれる4つの理由と対策を解説!

投稿日:2024年6月27日

「借地権だと住宅ローンが組めないって本当?」
「借地権でもどうにか住宅ローンが組める方法を知りたい」

借地権付き物件だからといって住宅ローンが組めないと諦めてかけていませんか?

借地権付き物件であっても住宅ローンを組むことはできます

この記事では、住宅ローンが組めない4つの理由とその対策を、不動産担保ローンのプロが分かりやすく解説しています。

この記事の作成者

融資部 部長
浜崎 雷Rai Hamazaki

【資格】管理業務主任者、宅地建物取引士
お客様の大切な所有不動産の評価を最大限に、ゆとりある生活のサポートをさせていただきます。「お客様の明日のために、今日、自分は何ができるか」を考え、日々奮闘しています。

借地権とは?メリット・デメリットを解説

借地権とは?

借地権とは、他人の土地を借りて自分名義の土地を建てて、その土地を使用する権利のことです。

1992年に借地権に関する法律は大きな法改正が行われたことで、2つに別れています。

  • 新借地借家法
  • 旧借地法

それぞれの違いは次の通りです。

  • 新法と旧法の違い
法律 内容(違う点)
新法(借地借家法) ・普通借地権と定期借地権
・(定期借地権だと)原則は更新はない
・「正当な事由」が明確に定義された
旧法(旧借地法) ・普通借地権のみ
・自動更新
・「正当な事由」の定義が曖昧で更新の拒絶が難しい

新法の借地権よりも旧法借地権の方が審査が通りやすいです。

というのも、返還する土地は担保として評価しづらいからです。

旧法借地権では自動更新が前提ですので、契約満了後も更新されますが、新法では、契約期間の満了後に土地の返還をする必要があります。

なお、借地権に関する法律は複数あります。

  • 借地法の種類一覧
種類 内容
普通借地権 契約期間は初回30年以上。借地人が希望すれば契約は自動更新。地主は正当な事由なく更新を拒否できない。
一般定期借地権 契約約期間は50年以上。契約満了後は更新はなく土地を更地にして返還する義務がある
事業用定期借地権 契約期間は10年~50年以下。事業用の利用が前提。更新はない
建物譲渡特約付借地権 契約期間は30年以上。契約期間満了後、地主に建物を譲渡して土地を返還する契約の借地権
一時使用目的の借地権 契約期間は数か月~数年。 一次的な使用目的の借地権。工事や仮設住居などの短期間の利用

借地権付き物件のメリット

借地権付き物件の3つのメリット
  1. 良い条件の物件に安く住める
  2. 税金が安い
  3. 旧法であれば長く住める

所有権が無い借地権付き物件には、3つのメリットがあります。

まず、相場の~70%の価格のため、立地が良く、坪数の大きい土地に安く住むことができます。

それから、次の税金がかかりません。

  • 不動産取得税
  • 土地にかかる固定資産税
  • 土地にかかる都市計画税

ただし、建物に対する固定資産税と都市計画税は課税されますので、注意が必要です。

旧法で契約している場合は、よほどのことがない限り、契約の更新できます。

新法の場合は30年で地主と協議する必要があります。

借地権付き物件のデメリット

借地権付き物件の3つのデメリット
  1. 住宅ローンが組みづらい
  2. 地代や更新料がかかる
  3. 増改築や売却する際は地主の許可がいる

この後詳しくご案内しますが、借地権では住宅ローンを組むのが難しいです。

大手メガバンクの中に、借地権の物件で審査をしているところがありますが、次のような条件付きの場合が多いです。

  • 借地権の場合は金利が高い
  • 借地権の場合は借入上限額が低い

それから、借地人は地主に次の費用を支払う必要があります。

  • 地代(土地代の1~3%ぐらい)
  • 更新料(土地代の5%ぐらい)

 また、古くなった建物を増改築したり、売却したりする際は、次のことが必要です。

  • 地主から承諾を得る(事前)
  • 承諾料の支払い(土地代の3%前後)

借地権だと住宅ローンが組めないことが多い4つの理由

銀行は借地権付き物件への融資には消極的なため、住宅ローンが通らないことが多いです。

その4つの理由をご案内いたします。

理由①:担保価値が低いため 

借地権付きの物件には、土地の所有権は付いていません。そのため担保価値は低いです。

担保価値が低い不動産に、一般的な住宅ローンと同程度の金額を貸付けることはできません。

理由②: 地主から承諾を得る必要があるため 

借地権付きの物件で住宅ローンを組む場合、金融機関は、土地を貸している地主から承諾を得る必要があります。

その交渉が難航したり、地主から承諾を得られなかったりすると、住宅ローンの審査は通りません。

理由③:契約解消のリスクがあるため 

1992年以降の新法では、期間の定めが無い場合の存続期間は30年間です。

契約期間が終了したら、次のことが行われます。

  • 契約の更新
  • 契約の解消

もし契約が解消されると、借地人は土地を返還しなければなりません。

また借地人が「地代の滞納」「許可を取らず増改築や名義変更を行う」などの契約違反をしてしまうと、地主から契約解除されてしまう危険性があります。

理由④:借地人と建物登記の名義が違うため

借地権で住宅ローンを組む場合は、借地人と建物登記の登記の名義人が一致していることが重要です。

銀行は借地権と建物を一体として評価するため、名義人が異なると担保としての評価が難しくなってしまうからです。

権利関係が複雑であることから、更新や契約条件の変更の際にトラブルが発生してしまう危険性があります。

借地権で住宅ローンが組めない場合の5つの対策

借地権で住宅ローンを組むことが難しい場合の対策は5つあります。

それぞれご案内していきますね。

対策①:借地権の専門家に相談する

借地権付き物件を取引するには、不動産や法律についての専門的な知識や対応経験が必要です。

借地権の専門家に相談すれば、借地権付き物件でも住宅ローンを借りられる金融機関が見つかるかもしれません。

ネットで収集した情報だけで判断しないようにしてくださいね。

対策②:不動産仲介会社に協力してもらう

幅広い物件を取り扱う不動産仲介会社の中には、借地権に対して豊富な知識や経験を持っているところがあります。

借地権に詳しい不動産仲介会社を見つけて相談してみてください。

借地権付き物件でも住宅ローンを借りられる金融機関が見つかるかもしれません。

対策③:地方銀行や信用金庫で事前審査を受ける

地方銀行や信用金庫の中には、地域に根差したサービスや独自の審査基準を設定しているところがあります。

このような金融機関に「借地権でもローンに対応してくれるかどうか」を確認してみてください。

対策④:借り入れる金額を低くする

借地権付き物件は、所有権付きの物件よりも担保価値が低いことはご案内しました。

ただ、担保価値が無いわけではありません。

ですので、借り入れする住宅ローンの金額を担保価値に見合った金額にすれば、審査が通る可能性があります。

対策⑤:地主に協力を仰ぐ

借地権付き物件には期限があります。

期限を更新できるかどうかは、土地を所有している地主との関係性や地主の状況にかかっています。

借地権の更新についての承諾書があれば、金融機関からはプラスの評価を得られます。

借地権で住宅ローンが組める金融機関

借地権で住宅ローンを組むことはできますが、対応していない金融機関が多いです。

しっかりと探せば見つかります。

借地権でも住宅ローンが通りやすい4つの金融機関
  1. ノンバンク
  2. 住宅金融支援機構(フラット35)
  3. 地方銀行
  4. 一部の大手金融機関

ここからは、4つの金融機関について詳しくご案内していきます。

ノンバンク

ノンバンクとは銀行関外の金融機関のことです。

審査基準が柔軟なため、銀行の住宅ローンよりも審査が通りやすいですが、金利が高いです。

ノンバンクの中には、借地権の取引に特化した金融機関がありますので、探してみてください。

こちらの底地権・借地権ローンは、多くの方に利用されています。

住宅金融支援機構(フラット35)

フラット35は、住宅金融支援機構と民間企業が提携して提供する住宅ローンです。

長期固定金利の住宅ローンで、個人事業主や経営者など、比較的住宅ローンを借りづらい方に対しても、積極的に融資しています。

借地権付き物件にも対応しています。

ただし、ノンバンクよりも条件や審査は厳しいため、急いでいる方には不向きです。

条件については、フラット35の金融機関一覧で金融機関を探して、問い合わせてみてください。

地方銀行

借地権付き物件であっても、住宅ローンの相談に対応している銀行があります。

地方銀行は地域密着で、営業エリア内の物件情報に精通しており、リスクについて正しい判断をすることができるからです。

ノンバンクやフラット35よりも審査は厳しく、融資までに時間がかかりますので、急いでいる方には不向きです。

一部の大手銀行

具体的には、三井住友銀行とみずほ銀行は対応しています。

ただし、次のように条件は厳しいです。

  • 普通借地権のみ相談ができる
  • 地主からの承諾書が必須になる

詳しくは各銀行の最寄りの支店にお問い合わせください。

借地権で住宅ローンが組めない金融機関

借地権では住宅ローンが組めない金融機関
  1. auじぶん銀行
  2. 楽天銀行
  3. ソニー銀行
  4. りそな銀行
  5. イオン銀行
  6. SBI

この6つの金融機関は、借地権付きの物件には対応していません。

ネットバンキングを中心とした銀行は、借地権付き物件のリスクの判断ができないため、住宅ローンの審査に対応していません。

なお、住宅ローンの金利は、実店舗のあるメガバンクの金利よりも低いです。

メガバンクの金利は0.3%台ですが、auじぶん銀行の金利は0.169%(2024年6月)です。

参考)お金の疑問や悩みを解決するオールインワンサービス@next

借地権の物件でも住宅ローンが組めない?のまとめ

借地権付き物件を担保とした住宅ローンには対応していない金融機関は多いです。

ですが、対応しているところはあります。

ノンバンクの中でも借地権にも対応しているところは、融資の審査が厳しくありません。

丸の内AMSでは、借地権ローンというサービスがありますので、気軽に問い合わせてみてください。

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