共有持分の買取をする方法と買取請求されたときの対処法を徹底解説!

投稿日:2024年10月29日

「他の共有者から持分の買取をしたいけど、どうすればいいの?」
「共有持分の買取請求をされたんだけど、…対処法は?」

このように考えていませんか。

このページでは、共有持分の買取をする方法や買取請求をされた時の対処法について、プロが分かりやすくご案内します。

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この記事の作成者

融資部 部長
浜崎 雷Rai Hamazaki

【資格】管理業務主任者、宅地建物取引士
お客様の大切な所有不動産の評価を最大限に、ゆとりある生活のサポートをさせていただきます。「お客様の明日のために、今日、自分は何ができるか」を考え、日々奮闘しています。

共有持分を買取請求する2つの方法

それぞれ詳しくご案内していきますね。

【方法①】他の共有者と交渉して買い取る

交渉して買取するメリットは次の通りです。

  • 法的な手続きが必要ない
  • 業者を挟まなければ手数料がかからない
  • 利害が一致しやすいので、スムーズに取引ができる
  • 裁判所を介さないため、手間が少ない

ただし、他の共有者が必ずしも買取に応じるとは限りません。

共有者間で価格の折り合いがつかない場合は、交渉が長引くことがあります。

【方法②】共有持分買取請求権を行使する

共有持分買取請求権とは、民法253条に基づく強制的な権利のことです。

裁判所が決める価格で買取ることになります。

行使できる状況は次の通りです。

  • 他の共有者が、共有物の管理費や維持費を1年以上支払っていない場合
  • 共有者の義務不履行が継続している場合
  • 上記をあなたが肩代わりしている

共有持分買取請求権を行使するメリットは次の通りです。

  1. ①強制力があるため、相手側は拒否できない
  2. ②他の共有者の同意が不要で、単独で権利を行使できる

より詳しくは司法書士や弁護士と相談をしてください。

できる限り共有者との話し合いで合意を目指すのがスムーズです。

他の共有者と交渉して持分買取する流れと注意点


ここからは、次の3点をご案内していきます。

  1. ①他の共有者と交渉して持分買取する5つの流れ
  2. ②持分買取を成功させる5つのポイント
  3. ③この方法の注意点

他の共有者と交渉して持分買取する5つの流れ

・交渉する流れとポイント

流れ ポイント
①買取意向の伝達 ・丁寧な口調で説明する
・持分買取を希望していることを明確に伝える
・書面やメールで記録が残る方法を使う
②買取条件の交渉 ・不動産鑑定士に評価を依頼する
・正価格を参考にして交渉を進める
・相手と公平な条件を提示する
③契約書の作成 ・弁護士に相談して正確な契約書を作成する
④代金の支払い ・銀行振込で記録が残る形で支払う
⑤登記手続き ・法務局に必要書類を揃えて申請する
・登記手続きは司法書士に依頼する

専門知識がある方は、弁護士や司法書士に依頼する必要はありません。

ただし、不安な方は、専門家にご相談ください。

持分買取を成功させる5つのポイント

・ポイントと概要

成功させるポイント 概要
①共有者との良好なコミュニケーションを取る ・相手の意向を尊重する
・双方が納得のいく条件を引き出す
②適正な買取価格を算出する 不動産鑑定士に依頼して公正な評価額を設定する
③第三者のサポートを得る ・物件に直接関係のない親族や友人に協力してもらう
・感情的な対立を避けつつ交渉できる可能性がある
④任意売買の合意を優先する ・できる限り任意売買による合意を目指す
・​​時間とコストの節約になる
・関係性を損なわずに取引を進められる
⑤売却相手の選択肢を増やす ・共有者だけでなく、不動産業者や買取専門会社に相談する
・より良い条件での売却できる可能性を探る

先ほどご案内した流れと一緒に確認してみてください。

この方法の注意点

持分買取をすると次のような税金が発生します。

・発生する税金と概要

税金の種類 概要
譲渡所得税 持分の売却で利益が発生した場合に課税
住民税 売却益が発生した場合に課税
印紙税 売買契約書に貼る必要がある税金

取引を進める前に、税金について把握しておいてください。

共有持分買取請求権で「訴訟して」買取請求する流れと注意点


ここからは、次の3点をご案内していきます。

  1. ①共有持分買取請求訴訟の6つの流れ
  2. ②訴訟を成功させる3つのポイント
  3. ③この方法の6つの注意点

共有持分買取請求訴訟の6つの流れ

・訴訟の流れとポイント

流れ ポイント
①共有者同士で話し合う ・話し合いで合意が得られるか試みる
・合意できなければ、訴訟の準備を進める
②弁護士に依頼し相談する 弁護士に相談し、法的手続きの準備を進める
③訴訟を提起する 裁判所に訴訟を申し立てる
④呼出状が送付される ・相手側に呼出状が届く
・裁判の日程が決まる
⑤裁判が開かれる 証拠や証言が提示され、全体の状況が精査される
⑥判決が言い渡される 裁判官が判決を下す

訴訟の提起から判決までは、1〜2年ほどかかります。

裁判官の判決に従により、相手の持分を買い取る権利が確定します。

訴訟を成功させる3つのポイント

3つのポイント
  1. 適正な買取価格を算出する
  2. 専門家のサポートを受ける
  3. 早めに法的手続きの準備をする

裁判には1〜2年ほどかかります。

訴訟をスムーズに進めるには、弁護士や不動産鑑定士、司法書士といった専門家のサポートを受けてください。

この方法の5つの注意点

・注意点とポイント

注意点 ポイント
①多額の費用がかかる 一般的に総額で100万〜200万円以上かかる
②長期化する可能性がある ・訴訟は1〜2年かかることがある
・判決が出ても履行までに時間がかかる場合がある
③他の共有者との関係が悪化する 法的な手段を取ることで関係悪化の可能性がある
④一般的には専門家へ依頼する ・サポートが受けらる一方で費用がかかる
⑤証拠をそろえる ・契約書、合意書
・支払い証明(領収書、銀行振込明細)
・共有者とのやり取りの記録
・不動産評価書

訴訟を行う場合、弁護士費用や裁判所への手数料がかかります。

弁護士費用は、50万〜100万円です。

不動産鑑定士に依頼する場合の評価費用は30万円〜50万円です。

訴訟でかかる総額は200万円以上になる場合があります。

相手が判決に従わない場合、強制執行の手続きをします。

この場合は、先ほどの総額にプラスして、さらに費用がかかることがあります

また、訴訟を成功させるためには、証拠が必要です。

証拠が不十分だと、裁判において不利な立場に立たされることがあります。

事前に必要な書類や証拠を準備してください。

共有持分の買取請求をされた!2つのケース別の対処法を解説

「共有持分の買取について交渉したいと言われたんだけど…」
「共有持分の買取請求の内容証明が届いたんだけど、どうしたらいいの?」

このような方は、ここでご案内している対処法をお役立てください。

それぞれ詳しくご案内していきますね。

【ケース①】持分買取の交渉があったときの4つの対処法

4つの対処法
  1. 提示金額に納得できるなら受け入れる
  2. 不動産を維持したい場合は相手の持分を買い取る
  3. 相手に売却したくないなら第三者への売却を検討する
  4. 交渉がまとまらないなら弁護士提携の買取業者に相談する

相手の提示金額を受け入れるのが1番スムーズです。

提示条件を受け入れるメリットは次の通りです。

  • 手続きが簡単に進む
  • 価格が変動するリスクが避けられる
  • 迅速な売却ができる

もし不動産を維持したいなら、相手の持分を買取って、単独所有することをご検討ください。

単独所有するメリットは次の通りです。

  • 物件の活用を自由にできる
  • 意思決定がひとりでできる

相手に売却するのに抵抗があるときや交渉がまとまらないときは、第三者への売却を検討してください。

売却については、詳しくはこちらの「共有持分の売却相場は?」でご案内していますので、ご一読ください。

【ケース②】共有持分買取請求権で訴訟されたときの2つの対処法

2つの対処法
  1. 対価(償金)を協議で決する
  2. 登記手続きに協力する

前提として、持分の買取拒否はできません。

訴訟された場合、まずは対価(償金)について協議し、合意を目指してください。

当事者同士で合意できれば、訴訟手続きが短縮されます。

その結果、時間や費用の負担を軽減できます。

また、積極的に登記手続きに協力すると、円滑な引き渡しにつながります。

登記をきちんと済ませておくと、今後の物件の管理がスムーズに行えるためです。

共有持分の買取業者を選ぶ6つのポイント

・業者選びのポイントと概要

選び方 概要
①共有持分の豊富な買取実績 経験豊富なら取引がスムーズに進む
②専門家と連携 トラブルが発生時に法的サポートを受けられる
③誠実で丁寧な対応 強引な安値買取を避けられる
④宅地建物取引業の免許の有無 不動産取引には免許が必須
⑤口コミ・評判の確認 良い口コミ・悪い口コミをバランスよく確認して判断する
⑥複数業者での査定 業者によって査定額が異なる
納得のいく業者を選べる

持分買取の交渉をされて、「相手に売却したくない」と思われたら、専門業者に買取りを依頼することをご検討ください。

その際、上記の選び方に沿って、信頼できる買取業者をお選びください。

共有持分の買取り業者とのトラブルが発生することがあります。

6つのポイントを押さえた業者であれば、スムーズな取引や高値での売却が実現します。

共有持分の買取業者の4社を解説

それぞれ詳しくご案内していきますね。

①一般社団法人共有持分支援協会

一般社団法人共有持分支援協会は、個人が抱える共有持分の問題解決の支援をしています。

共有持分の処理に関する無料相談を行っています。

ですので、初めての方でも安心して相談ができます

また、他の共有者との関係を考慮した丁寧なサポートが得意です。

②株式会社クランピーリアルエステート

共有持分の買取を専門で、迅速な対応をしています。

1,500以上の関連士業との提携をしており、全国対応です。

次の共有不動産の持分を売却したい場合は相談してみてください。

  • 共有者間でのトラブルが発生している
  • 権利関係に問題がある

③ライズ株式会社

ライズ株式会社は、訳あり物件専門の買取業者です。

買取実績累計1,000件以上あり、首都圏を営業エリアとしています。

専門知識が豊富なスタッフが在籍しており、他の共有者への配慮を重視しています。

④株式会社AlbaLink

株式会社AlbaLinkも訳あり物件買取専門業者で上場企業です。

全国対応で、相談件数年間5,000件です。

法的知識を備えたスタッフが在籍しており、共有持分買取のスピードはスピーディです。

全国各地での買取実績が豊富ですので、地方に住んでいる方に向いています

共有持分の土地の買取事例3選

ここからは、一般社団法人共有持分支援協会の3つの事例をご案内していきます。

  1. ①東京都渋谷区の共有持分4/5を5,200万円で買取
  2. ②埼玉県川口市の共有持分1/2を3,500万円で買取
  3. ③神奈川県川崎市中原区の共有持分2/5を2,000万円で買取

【事例①】 東京都杉並区の共有持分4/5を5,200万円で買取

「共有者との土地利用に関する話し合いが折り合わず、持分4/5を売却したい」という相談者様。

対象の物件は賃貸併用住宅で、築年数が35年経過し、建て替えや物件全体の売却を検討していました。

ですが、居住している共有者との意見が合わず、勝手にリフォーム工事が進められていました。

一般社団法人 共有持分支援協会が仲介役となり、円滑な話し合いのもと、依頼者の持分を5,200万円で買取することができました。

【事例②】 千葉県船橋市の共有持分1/2を3,500万円で買取

「共有者と歩調が合わず、1/2の持分を売却したい」という相談者様。

過去に他の共有者からの売却提案に反対した。現在は、自分が売却を希望したところ反対されてしまいました。

土地は共有者の同意を得ずに駐車場として貸し出されている状態。

一般社団法人 共有持分支援協会が他の共有者と交渉を進め、依頼者の持分1/2のみを3,500万円でスムーズに買取しました。

【事例③】 神奈川県川崎市中原区の共有持分2/5を2,000万円で買取

「破産手続きの一環で土地の持分2/5を売却したい」という相談者様。

共有者には、認知症を患う方が含まれていました。

後見人が未選任のままだったため、法的手続きが複雑化していました。

さらに、土地の境界に関する図面や標識が見つからない状態でした。

このため、一般社団法人 共有持分支援協会は顧問弁護士と協議を重ねました。

その結果、物件と法的な問題をクリアして、無事に2,000万円での買取が実現しました。

共有持分の買取に関連するQ&A

共有持分の買取についてよくいただく2つのご質問に回答いたします。

Q.売却は他の共有者の同意なしではできない?

A.民法第251条では、単独の不動産とする場合は同意が必要と定められていますが、民法206条では自分の持分だけなら自由に売却できると定められています。

売却後、新しい共有者と従来の共有者間での利用調整が必要になる場合があります。

Q.買取業者の目的は何ですか?

A.営利が目的です。次のような活用をして利益を得ています。

  • 訳あり物件の持分を買い取って再販売
  • 収益物件として活用

所有権を統一し、買取転売をしたり、賃貸や駐車場などの運営をしたりします。

共有持分の買取業者選びを間違えると、トラブルになることがありますので、慎重に選んでください。

より詳しくはこちらの「共有持分の買取業者の利用で起こる3つのトラブル」をご覧ください。

共有持分の買取のまとめ

共有持分の買取方法を、共有者と交渉する方法と訴訟する方法に分けてご案内しました。

買取方法によって流れや注意点は異なります。

スムーズな買取にお役立てください。

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